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狩野 恒一*; 萩原 聡*; 五十嵐 誉廣; 大谷 実*
Electrochimica Acta, 377, p.138121_1 - 138121_10, 2021/05
被引用回数:17 パーセンタイル:69.94(Electrochemistry)参照相互作用サイトモデル+密度汎関数理論(ESM-RISM-DFT)を用いて、酸性条件下でのAl電極/NaCl水溶液界面での腐食電位の解析を行った。カソードおよびアノード反応の電極電位を電子化学ポテンシャルを変数とするグランドポテンシャルから取得し、ターフェル外挿法を使用して腐食電位を取得した。腐食電位の結果は、実験データと一致した。溶液のpHを制御することにより得られた腐食電位のpH依存性は、実験結果とよく一致した。ESM-RISM-DFTによって酸性溶液の環境への影響が適切に表現され、腐食電位が正確に決定された。ESM-RISM-DFTを用いることで、さまざまな反応の腐食電位が計算できることが示唆される。
上野 文義
材料と環境, 68(1), p.2 - 8, 2019/01
軽水炉(BWR, PWR)の冷却水の水質を適切に管理することは、構造材料の腐食や放射性腐食生成物の発生を低減するために重要である。そのため、電気化学測定法を用いた水質のモニタリングが必要である。本稿では、BWRにおけるECP測定の適用を中心に、軽水炉の水質と電気化学測定の必要性について述べる。
塙 悟史; 内田 俊介; 端 邦樹; 知見 康弘; 笠原 茂樹*; 西山 裕孝
Proceedings of 20th Nuclear Plant Chemistry International Conference (NPC 2016) (USB Flash Drive), 11 Pages, 2016/10
腐食電位(ECP)は、金属表面に形成される酸化被膜の性状で変化するため、ECPを解析的に評価する際の取扱が課題である。現在、周囲の水環境に応じた酸化被膜性状変化を計算し皮膜の電気的抵抗変化として取り扱う方法、水環境に応じた異なるアノード分極曲線を扱う方法の二つが提案されている。本研究では、後者の取扱をしたECP計算プログラムを構築し、試験炉であるハルデン炉で取得された照射環境下におけるECP測定データで検証した。その結果、水の放射線分解で発生する酸素及び過酸化水素が混在する照射環境下においても、構築したECP計算プログラムが適用できることを確認した。
加藤 千明; 佐藤 智徳; 上野 文義; 山岸 功; 山本 正弘
材料と環境2015講演集(CD-ROM), p.83 - 86, 2015/05
福島第一原子力発電所事故の汚染水処理に用いた使用済み吸着塔の局部腐食発生条件に関する基礎的検討として、ガンマ線照射下における人工海水を含んだゼオライト中のステンレス鋼(SUS316L)の電気化学試験を行った。ステンレス鋼の定常自然浸漬電位はガンマ線照射により貴化し、吸収線量率の増加に従いその電位が上昇した。一方、ゼオライト共存系ではガンマ線照射下の電位上昇が抑制された。ガンマ線照射下におけるステンレス鋼の電位上昇機構は放射線により生じるHOがステンレス鋼のカソード反応を活性化するためであり、ゼオライトはHOの生成を抑制するために電位が低下することを明らかにした。ステンレス鋼の局部腐食発生電位は、照射の有無、ゼオライトの種類や接触により大きく変化しないことから、ゼオライト共存はガンマ線照射下において定常自然浸漬電位を低下させ、局部腐食発生リスクを低減できることが期待できることを明らかにした。
塚田 隆; 三輪 幸夫; 宇賀地 弘和; 松井 義典; 板橋 行夫; 永田 暢秋*; 堂崎 浩二*
Proceedings of International Conference on Water Chemistry of Nuclear Reactor Systems (CD-ROM), 5 Pages, 2004/10
材料試験炉(JMTR)において照射誘起応力腐食割れ(IASCC)の発生及び進展試験を予備照射した試験片を用いて実施する計画がある。炉内においては、水の放射線分解により環境中に各種のラジカルや過酸化水素などが含まれるため、炉内環境の評価には腐食電位(ECP)が指標として用いられる。JMTR炉内に装荷する照射キャプセル内で使用するためのFe/FeO型のECPセンサーを開発した。センサーの耐久性を調べるため、高温高圧純水中における熱サイクル試験などを実施した。本研究で開発した炉内測定用ECPセンサーには、高温水中での耐久性を向上させるため、セラミックス隔膜と金属ハウジングの接合部を無電解ニッケルメッキにより保護したが、その有効性が示された。
下郡 一利*; 泊里 治夫*; 小田 正彦*; 藤原 和雄*; 舛形 剛*
PNC TJ1074 98-002, 270 Pages, 1998/02
銅は還元性条件下では熱力学的に腐食しない事が知られている。従って、地下深部本来の環境である還元性環境下において、銅にオーバーパック候補材料としての優位性が与えられる。しかし、処分開始直後には比較的酸化性の環境になるため局部腐食発生の可能性が考えられる。そこで、本研究では酸化性環境下における銅の局部腐食発生の臨界条件を明らかにする事を目的として、80度Cにおける脱気炭酸塩溶液含浸ベントナイト中及び脱気炭酸塩溶液中での60日間の電気化学的試験ならびに暴気炭酸溶液含浸ベントナイト中及び暴気炭酸塩溶液中での60日間の自然浸漬試験を行い、溶液中のイオン濃度ならびに電位と腐食状況との関係を整理し、銅の局部腐食発生の臨界条件の検討を行った。その結果、ベントナイト無しの場合、高腐食性溶液(HCOSUB3/SUPー/S0/SUB4/SUP2-l、高濃度Cl/SUP-)中は勿論のこと、低腐食性溶液(HC0/SUB3/SUP-/S0/SUB4/SUP2-l)に塩素イオン及び硫酸イオン濃度を高めた溶液中においても、淡水や給湯環境中での孔食臨界電位である。"0.115VVSSCEat 60度C(=0.296VvsSHE at 80度C)"以上では局部腐食発生の可能性があるが、ベントナイト有りの場合には、高腐食性溶液中における高電位印加以外の条件では、局部腐食発生の可能性は低いものと考えられる。また、大気平衡下での自然竜位は高くとも上記臨界電位近傍であり、実環境中では酸素の消費も生じるため、局部腐食発生の可能性は更に低いと推察された。
永井 崇之; 大橋 和夫; 川野邊 一則*; 竹内 正行; 武田 誠一郎
PNC TN8410 97-425, 34 Pages, 1997/11
(目的)硝酸溶液中にルテニウムを添加した場合のステンレス鋼の電気化学的特性を調査する。(方法)溶液環境を支配する因子(Ru濃度、硝酸濃度、等)をパラメータとして、304ULC、310Nbの腐食電位および分極曲線の測定を行った。(結果)(1)純硝酸とRu共存環境における304ULCおよび310Nbを比較した場合、Ruの添加により腐食電位は約200mV以上高くなることが分かった。(2)Ru濃度が高くなるに従って、304ULCおよび310Nbの腐食電位は上昇し、不働態と過不働態の境界から過不働態へ移行することが分かった。(3)Ru共存環境における304ULCおよび310Nbの硝酸濃度の影響は硝酸濃度が高くなるに従って、腐食電位は上昇し、不働態から過不働態へ移行することが分かった。(結論)本試験により硝酸溶液中の304ULCおよび310Nbは、Ru濃度、硝酸濃度が高くなるに従って腐食電位が上昇し、不働態から過不働態へ移行することが確認できた。
竹内 正行; 川野邉 一則*; 永井 崇之; 大橋 和夫; 武田 誠一郎
PNC TN8410 97-104, 56 Pages, 1997/04
(目的)再処理溶液中に腐食生成物として存在するクロム(以下,「Cr」という)を対象に,ステンレス鋼の腐食に与える影響および粒界選択型の腐食加速機構について調査し,特に影響の大きいCr(6)の酸化生成条件等を中心に検討する。(方法)ステンレス鋼の腐食に与えるCrの影響を評価する手法として,材料浸漬試験および電気化学試験を行った。また,粒界腐食の要因とされる微量元素の粒界偏析に関しては,オージェ電子分光法により粒表面および粒界の組成を比較することで評価した。さらに,Crの酸化反応条件について検討するため,硝酸濃度,溶液温度をパラメータとしたCr(3)共存溶液の加熱試験を実施するとともに,溶液のPt電位測定および試験後におけるCr(6)の定量分析等を行った。(結果)本試験の結果から,得られた主な知見を以下に示す。(1)浸漬試験および電気化学試験結果から,同じ元素種でも,Cr(3)に比較して,Cr(6)の共存環境ではステンレス鋼の腐食電位が高電位側に移行し,粒界腐食を伴う腐食速度の著しい増加が認められた。(2)粒界腐食機構の要因とされる微量元素の粒界偏析については,オージェ電子分光法による測定では観察できなかった。(3)180時間程度の加熱試験結果から,沸点の条件では,酸化生成したCr(6)が硝酸濃度4M以上で定量的に検出された。(4)非破壊吸光光度法によるCrを指標としたステンレス鋼の腐食モニタリングで得られた腐食速度は腐食減少量からの算出値より低い値が得られた。(結論)ステンレス鋼の腐食に対するCrの影響はCr(3)に比べて、Cr(6)の共存環境で顕著である。この要因は硝酸よりもポテンシャルの高いCr(6)の酸化作用にあり,Cr(6)は高温,高濃度硝酸環境で酸化生成する可能性が示唆された。
not registered
PNC TJ1150 96-005, 23 Pages, 1996/03
高レベル放射性廃棄物処分容器(オーバーパック)の候補材のひとつである炭素鋼の腐食については、応力腐食割れが発生する可能性を検討する必要性が指摘されている。本研究では、応力腐食割れ研究の第二段階として、アルカリ塩化物水溶液環境中での炭素鋼の腐食すきま再不動態化電位の測定によりそのNaCl濃度、pH、炭酸-重炭酸濃度依存性を確認し、すきま腐食生起臨界電位条件を実験室的に示した。また、定電位SSRT試験(Slow Strain Rate Test、低ひずみ速度引張試験)を実施し、すきま腐食経由型応力腐食割れを実験室的に再現できる条件を示した。一方、緩衝材や腐食生成物と相互作用した地下水の組成や新たに生成する沈殿鉱物については、吸水、膨潤した緩衝材中の微小領域での測定は非常に難しい。本研究では、透過電顕、走査電顕、X線回折を用いた沈殿鉱物の同定方法の検討とイオン交換膜を用いた間隙水組成の分析方法の検討を行った。
not registered
PNC TJ1150 96-004, 128 Pages, 1996/03
高レベル放射性廃棄物処分容器(オーバーパック)の候補材のひとつである炭素鋼の腐食については、応力腐食割れが発生する可能性を検討する必要性が指摘されている。本研究では、応力腐食割れ研究の第二段階として、アルカリ塩化物水溶液環境中での炭素鋼の腐食すきま再不動態化電位の測定によりそのNaC1濃度、ph、炭酸-重炭酸濃度依存性を確認し、すきま腐食生起臨界電位条件を実験室的に示した。また、定電位SSRT試験(Slow Strain Rate Test、低ひずみ速度引張試験)を実施し、すきま腐食経由型応力腐食割れを実験室的に再現できる条件を示した。一方、緩衝材や腐食生成物と相互作用した地下水の組成や新たに生成する沈殿鉱物については、吸水、膨潤した緩衝材中の微小領域での測定は非常に難しい。本研究では、透過電顕、走査電顕、X線回折を用いた沈殿鉱物の同定方法の検討とイオン交換膜を用いた間隙水組成の分析方法の検討を行った。
石川島播磨重工業*
PNC TJ1150 94-001, 19 Pages, 1994/03
放射性廃棄物地層処分においてオーバーパックが置かれる腐食環境の特性を評価するために、含水ベントナイト中の酸化還元電位、pH、炭素鋼の自然腐食電位の経時変化を、クニピアF、模擬地下水を用い、無酸素環境と大気雰囲気下で測定した。そして得られたデータから、pH、Eh、自然腐食電位の相関関係、炭素鋼の不働態化臨界pH及び炭素鋼の腐食形態と環境特性の相関関係を検討した。また炭素鋼共存下での含水ベントナイト中に沈殿する鉄鉱物の同定手法を開発するために、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、ベントナイト中の沈殿固相の同定を行った。
not registered
PNC TJ1560 93-001, 60 Pages, 1993/03
これまで動燃事業団が実施してきたオーバーパックに関する研究成果についてレビューし評価を行ったのに引き続き、腐食防食協会の中に専門家による委員会を継続した。腐食科学の観点から、材料選定の考え方、実験方法、寿命評価手法など、より具体的な指針として役立てるべく、個別現象解析モデルの研究をおこなった。本書が、今後の研究開発の過程で利用され、オーバーパックに関する研究に役立つことを期待するものである。
not registered
PNC TJ1150 92-003, 136 Pages, 1992/02
高レベル放射性廃棄物の地層処分に使用されるオーバーパック容器の有力な候補材料の一つと考えられているチタンの長期の健全性に対する阻害要因は地下水によるすきま腐食が主たるものと考えられているので、これに対する検討が極めて重要である。本研究では、チタンの長期腐食挙動を評価する上で重要と考えられるすきま腐食発生下限界電位の評価の一環として、塩化物環境のすきま腐食再不働態化電位に及ぼす他のアニオン、即ちSO42-及びHCO3-の2種類のアニオン、共存の影響を評価するとともに、塩化物以外のハロゲン環境としてBr-環境でのすきま腐食再不働態化電位を評価した。一方、チタンとともにオーバーパックの有力な候補材料と考えられる炭素鋼については処分環境における炭素鋼のマクロセル腐食について、その生成プロセスの理解を深めるとともにモデル化を行った。
佐藤 智徳; 加藤 千明; 上野 文義
no journal, ,
福島第一原子力発電所の機器構造材は線照射kの腐食環境にさらされている。照射下でのステンレス鋼の腐食における温度の影響を決定するために、線照射下でのステンレス鋼の腐食電位測定を実施した。その結果、照射による、腐食電位の上昇が確認された。そこで、水の放射線分解解析を実施して、照射下の腐食環境を解析した結果、数ppmの過酸化水素が生成されていることを示し、過酸化水素の生成量は線の線量より初期溶存酸素濃度により決定されることを示した。さらに、この解析結果を用いて、照射下での腐食電位測定結果を解析し、照射下での電位の上昇が、過酸化水素に起因することを示した。また照射下での腐食電位の温度依存性が、非照射下での腐食電位と同様に、溶存酸素濃度の温度依存性により決定されることを示した。
端 邦樹; 塙 悟史; 知見 康弘; 内田 俊介
no journal, ,
国内加圧水型軽水炉(PWR)では、PWSCCの抑制や更なる被ばくの低減を目指して一次冷却系の溶存水素濃度の最適化が検討されている。本研究では、PWR一次系環境を模擬した化学制御を照射下で実施可能なStudsvik ABのINCAループで取得した腐食電位(ECP)測定結果を用いて、ECPへのH添加量の影響を精度良く評価するためのECP解析モデルの改良を検討した。ECP解析の前段となるラジオリシス解析においては、B(n,)Li由来の線によるラジオリシス等、PWRの特徴を考慮し、過酸化水素(HO)の発生量への水素(H)添加量依存性を調べた。個々の放射線の影響について調べた結果、ガンマ線や中性子と比較して線によるHO発生量が大きいことが示された。これらの放射線によるHO発生量に対するH添加量の影響について確認したところ、10ppb以下のHではHO発生量が変化しなくなることや、100ppb程度のHによりHO発生量が十分に抑制されることがわかった。引き続き、本ラジオリシス解析結果を用いたECP解析を実施し、INCAループの試験結果の確認を行う。
内田 俊介; 端 邦樹; 塙 悟史; 知見 康弘
no journal, ,
国内加圧水型軽水炉(PWR)では、PWSCCの抑制や更なる被ばくの低減を目指して一次冷却系の溶存水素濃度の最適化が検討されている。本研究では、Studsvik INCAループで取得された照射下での腐食電位(ECP)測定結果をラジオリシスコードとECP解析コードで評価し、ECPに及ぼす酸化皮膜及び水素の影響を検討した。水素原子(H)の還元力に着目し、アノード反応にHの影響を考慮した結果、高H添加量の環境での実験結果に対する再現性が大きく向上し、水素分子(H)に加えてHがECP低下に大きな影響を及ぼす可能性が示唆された。
内田 俊介; 端 邦樹; 塙 悟史; 知見 康弘
no journal, ,
前回の発表(副題2)では、PWR一次冷却系では、水素の酸化電流が水素注入によるECP低減に大きな影響を与えることを示した。PWRでは、BWRに比べ、水素濃度のほかに、pH, 照射線量率などECPに影響を及ぼす因子に大きな違いがある。本発表では、特にpHに注目し、ラジオリシス,表面性状,金属イオン溶解度などpHがECPに及ぼす直接及び間接影響について議論した。この結果、PWR1次系とBWRを含む広いpH範囲の腐食環境を同一のラジオリシスおよびECP解析コードを用いて、pH依存性を考慮した定数を適用するだけで一元的に評価できることを示した。
端 邦樹; 塙 悟史; 知見 康弘; 内田 俊介
no journal, ,
国内PWRでは、PWSCCの抑制や更なる被ばくの低減を目指して、一次冷却系の溶存H濃度の最適化が検討されている。本研究では、PWR一次系環境の腐食電位(ECP)の解析的評価手法の確立のため、PWR一次冷却系での高pHやホウ素由来の線の影響を考慮したラジオリシス解析手法の整備を行っている。これまでの解析により、pHの上昇に伴い酸化剤であるHO濃度が抑制される傾向が示されたことから、本発表では高pH条件を対象としたラジオリシス解析を実施し、高pHにおけるHO生成メカニズムの検討を行った。解析の結果、高pH条件でHの分解反応により生成する水和電子及びOHがHOの捕捉剤として作用していることが明らかとなった。
内田 俊介; 端 邦樹; 塙 悟史; 知見 康弘
no journal, ,
前回までの発表(副題1-4)では、BWR用に開発したラジオリシス及びECP評価モデルをPWR一次冷却系環境での評価に拡大適用可能であることを示した。また、両モデルの組合せにより、ECP低減の視点からのPWR一次冷却系での最適pH制御を提案した。本発表では、PWR一次冷却系での水化学制御の特徴である、B-Li連成制御に関し、本評価モデルの適用性について検討し、放射線照射下でプラント線量率抑制のための最適pH制御と構造材の健全性確保のための最適水素濃度制御の両立が可能であることを示す。
佐藤 智徳; 加藤 千明; 佐藤 修彰*; 端 邦樹; 渡邉 豊*
no journal, ,
福島第一原子力発電所の格納容器は、放射線照射下の腐食環境にさらされている。特にデブリ近傍の材料は、ガンマ線だけではなく、デブリ由来のベータ線やアルファ線にもさらされている可能性がある。しかし、アルファ線やベータ線に直接照射された条件での腐食評価例は少ない。そこで、本研究では、炭素鋼及びステンレス鋼の腐食へのベータ線の影響を評価するため、密封ベータ線源(Sr-90)を用いた電気化学試験を実施した。その結果、ベータ線照射環境下での炭素鋼の分極抵抗の低下、およびステンレス鋼の電位の貴化が確認された。